旧小坂家住宅

 旧小坂家住宅は、衆議院議員等を務めた小坂順三が昭和13(1938)に建てた別邸建築です。昭和20年に戦災で渋谷の本宅が焼失してからは本邸として利用されました。施工は清水組(現清水建設株式会社)が請け負いました。
 この別邸建築は、明治から昭和初期にかけて政財界人の別邸が多く建てられた国分寺崖線沿いに位置し、現在まで残る貴重な建築遺構の一つです。
 屋敷地は崖線上の高台に主屋、中門および塀が北寄りに建っています。そして崖線の高低差を利用して回遊式庭園をつくり、崖線下の敷地南西に表門が配置しています。
 本工事では、主屋の耐震補強工事を行うと共に、バリアフリー化改修工事と老朽化部分補修工事を行いました。地域の人々が集える場として公開・活用することを目指し、多目的トイレや授乳室、台所等を整備しました。

 補強壁等は将来、文化財建造物保存に対する考え方が変わった場合に元の姿に戻せるように、既存壁を残した上で耐震壁を設置しました。また、同様の配慮からバリアフリー外部新設スロープも組立式としました。
 現在は世田谷区が所有し、主屋・中門及び塀、表門、裏門は区指定有形文化財に指定されています。一般財団法人世田谷トラストまちづくりの管理の元、建物・庭共に一般公開されており、地域の人達から親しまれています。



 



旧小坂家住宅
【所在地】〒156-0041 世田谷区瀬田4-41-21 世田谷区立瀬田四丁目広場内

 世田谷区ホームページ内(旧小坂家住宅)
 【ホームページアドレス】  http://www.city.setagaya.lg.jp/index.html

 一般財団法人世田谷トラストまちづくりホームページ内(旧小坂家住宅「瀬田四丁目旧小坂緑地」)
 【ホームページアドレス】 http://www.setagayatm.or.jp/trust/map/pcp/seta4_detail.html